エスプレッソと雨

アッズーリとロッソネリを愛するジャッポネーゼです。不定期で基本サッカー関連の事を垂れ流しております。

ここまでのミラン、そしてこれから歩むべき道

2018年に入り未だ無敗のACミラン

 

一時は11位まで下がったチームをここまで闘う集団にしたのは紛れもなく新監督のおかげだろう。ただここまでの道のりは本当に厳しいものだった、難しい戦術の話や特定の選手の批判などは今回は置いて、自分が今、思っている気持ちをこの記事に書き連ねようと思う…

 

 

今夏、多くの資金を使って沢山の選手を獲得したミランボヌッチやカリニッチ 、ビリアなどの実力者に加えてケシエやコンティ、アンドレシウバなどの期待の若手も多く獲得した。

プレシーズンではクトローネの台頭などもあり調子よく進んだため、これで優勝争いをしないなんて考えるようなファンはいなかっただろう。良い意味でも悪い意味でも注目されたミランは多くの期待を胸に新シーズンを迎えたのであった…

 

 

 最初の数試合は良かった、本当にスクデットを獲るんじゃないかと思えるような連勝だった。

ずっと待っていたグランデミラノがついに復活する時だと誰もが思い始めていた。

だが現実はそう甘くはなかった…

 

モンテッラに教えられた効率よく戦うサッカーを走らないサッカーと間違った解釈をした選手達は走ることをやめ、勝てなければフォーメーションや連携のせいにした。犯人探しをしているようなチームの雰囲気は悪くなる一方で、様々なメディアから批判を受けた。

来夏にはドンナルンマやスソの放出も噂され最悪のチーム状況となっていた…

 

そんな泥沼だったミランを救ったのはプリマヴェーラ(下部組織)の監督を夏から勤めていたジェンナーロ・ガットゥーゾだ。現役時代には「リンギオ」(闘犬)の名で数々のタイトルを手にしたレジェンドだ…

明確な次期監督候補が決まらずモンテッラ解任に踏み切れなかったチームは最終的に半ば強引な形で解任し、内部昇格という形で監督交代に踏み切ったのだ。

  ミランのユニフォームは試合後に汗と泥まみれになるほど闘うためにあるものだ

しかし選手達はスーツのようにユニフォームを汚すことを嫌がり、切り替えなくなり、体を当てなくなっていった。

子供ながらに憧れて、取り憑かれるかのようにテレビにしがみついていた画面の奥の選手達は気づけばポジショナルプレー(笑)に固執し自陣でロンドをするだけの選手達に変わっていた

 

そんな腐りきった根性を叩き直すには最も闘志をあらわに走っていたあの男しかいない、就任当初は懐疑的な声もあったガットゥーゾだが私にとっては待望の瞬間であった…

もし結果が出なくとも彼等に何か大事な事を伝えてくれる、そう自分の中で確信があったのだ。

 

そしてその効果は徐々に出始めた。

「熱意は伝染する」ということわざがあるがまさしくその通りだろう。ガットゥーゾがメディアや練習を通して様々なガットゥーゾ節を披露した。その熱は選手たちに伝わり闘志が植えつけられていった。就任最初の試合から明らかな変化が見えた、守備では体を当てボールが取られればすぐに回収のためスプリントし始めるようになっていった。

 スソがCKからのカウンターを受けた時、自陣の逆サイドまで走りスライディングで守備をしたり、やる気の感じられなかったモントリーヴォが体を投げ出して守備をしている姿を見て自分が信頼していた事は間違っていなかったととても感動したのを覚えている。

 

 ベネベントやヴェローナなど格下と呼ばれる相手に劇的ドローや大敗をしてしまうようなメンタルがボロボロになるような試合もあったが、チームは既に変わっていた。

 負けを引きずるのではなく次に繋げるための糧にし、クリスマス休暇を潰しチームとして団結するためにトレーニングに励んだ。次の試合にどうすれば勝てるのかを考え自発的にミーティングを開くまでになっていったのだ。

 

その闘志は試合ごとに燃え滾り、どんな勝利も最後は皆で円陣を組み喜びを爆発した。
そしてその中心にはいつも熱意の感染源が雄叫びをあげているのだ。

 

そうして成長していったチームは前半戦4-1、3-2と敗北したラツィオインテルなどにも勝利し、現在チームは7位まで戻ってきた。

 次節は今季絶好調で6位につけるサンプドリアが相手だ。決して簡単な相手ではないがもし勝つことが出来れば、チームが変わったという事をしっかりと全世界に証明できるだろう。

そして今の彼らならきっとその期待に応えてくれると信じている。

 来夏にはサッリやコンテの招集案もあるが私は彼らに、このチームのアイデンティティを教えることは難しいと持っている。

今、選手達が常に走り続けられているのは誰よりもミランで結果を残したガットゥーゾが不細工な髭面で常に吠え続けているからだ。

もし名将と呼ばれる監督が来たところで今のようにチームのモチベーションが上がるとは考えにくい。

 

では何が最善か?

 

私は今のミランに必要なのはリーノの守備戦術の落とし込み、モチベーターとしての実力を支えられら優秀なコーチにしっかりと人件費を使う事だろう。

ガットゥーゾは当たり前の事を教えただけだと言う人もいるだろう、ただ、当たり前の事を完璧にこなせればそれだけで一つの武器になるのだ。例え0-5で負けていても誰一人諦める事なく走り続けられるチームがあるとしたら?

ボールを保持しつつアトレティコのように常に戦えるチームとして欧州の王者に返り咲けるのではないだろうか…これが私の考えてるミランの歩むべき道だ

 

  最後に…CL出場権まで勝ち点差10、決して簡単な道のりではない、これからも上手くいかない時が多々あるかもしれない…ただ今ミランが歩むべき道は間違っていないと言う事を忘れないで欲しい。自分達が進んでる道を信じて後ろを振り向く事なく泥まみれになるまで走り、一勝すればその週全てを頑張れてしまうようなティフォージ達に最高の恩返しをして欲しい…

 

Ren (@Renssoneri1899) on Twitter